7/31/2015

ライフジャケット&ウエットスーツ

■ ピークハントは基礎

一泊二日、テント泊で夏山ピークハントに行っていました。

今週は、岡山からの友人に続き、島根からの友人が訪ねて来てくれました♪

権現・編笠です。

夏山は、暑かった~。

久しぶりの夏山は、くたびれますね~ テント泊も久しぶり。ザックは重くないですが、暑い!今日も夕立が来そうな厚さです。

リーダーシップが非常に勉強になった山でした。



■ ウエットスーツ&ライフジャケット

ホントに暑いので、ほら貝のゴルジュまた行きたくなった(笑)。

ほら貝のゴルジュはウォータースライダーな沢ですが、必需品があります。

コレ!

ライフジャケット。

泳ぎの苦手な人には必要です。

釜が深いので、念のため的な、安いものではなく、ちゃんとある程度浮力がしっかりしたものが安心みたい・・・


こちらはアクアファンというモデル。


モンベルで5800円でした。
そして、あると温かいのが、ウエットスーツ。

ウエットスーツはパタゴニアのです。

2.5mm厚ネオプレン。

ウエットスーツは着て来ていない人もいた。

寒そうでした。

私はこの上に普通の沢ウエアを重ねましたが、全身ウエットスーツの人もいた。

トイレが大変そうです。

ちなみに、

道の駅で着替えて、沢ウエアで途中の林道は歩いて行きます。

沢の水は夏でも冷たくて、夏らしい遊びって感じです。

ああ~また行きたいな~

7/28/2015

ほら貝のゴルジュ

 ■ 法螺貝のゴルジュ

ほら貝のゴルジュは、東沢釜の沢へ沢登りするときに通ります。

東沢釜の沢は、今では沢登りで有名であっても、一般登山者に知られることがないですが、昔は、登山道として使われていたルート。今は旧道と位置付けられ、沢登以外で使う人はほとんどいません。

ほら貝のゴルジュは、東沢釜の沢を遡行するときは、見るだけで遡行しません。

もっと上のほうで入渓するのです。なので、ほら貝のゴルジュを突破してから、東沢釜の沢を詰めて、甲武信に行く、という沢も成立はすると思うのですが、装備が全く違うので、一泊するとしても大変になりすぎるだろうな~と思いました。

知らないと、ゴルジュ突破もどの辺で切り上げたらいいかな~となるかな?

最初は、鶏冠谷出会いで始めます。このように普通の沢、というか川。
 F1。左側のクラックを利用します。登攀は、5.9くらいかな?

まだフリクション信用できないし、じゃんじゃん流れているのが、安全とは感じられず、必死(笑)

でも、足を滑らせて墜ちても、ドボンするだけ。実は平気。

なのでトップはフリーソロでした。

この後、2股の滝も出てきますが、右に泳いで取り付き、簡単なクラックをがりますが、お助け紐があって良かった。
 お待ちかね、ほら貝のゴルジュの中から。

ほら貝のゴルジュの中を泳いで取り付き、左側のスラブに乗り上げますが、傾斜が微妙にシビアで、乗り上げられるかどうかは、信じる力しだい。

ここは古いハーケンがあったように思います。

スラブを歩いて奥まで。

今回は、水量が多く、かなり激流です。しかも、水の流れが速いそうです。水位はそう変わらないそうでしたが、難易度があがり、何度も、ここで敗退かな?と思わさせられました。


 最大の核心部です。

右のクラックにアブミを掛けます。

アブミは3つくらい欲しい感じ。

長いお助け紐が残置してありました。

今トップのクライマーがいるあたりが、怖い。

ここのクライミングは、まだまだ精進が必要そうでした。

カムでエイドすればなんとかなるかなぁ・・・。

カムのエイドは、

 アメリカンエイド

と呼ばれる技術です。

セカンドは回収担当ですが、なんとかなりそうでした。

しかしトラバースなので、ビレイはあまり意味がないです。



 さらに行くと、このような樋が。

ここはフリクションの悪いフエルトだと、すべってしまいます。

水量が多いのもあり、落ちると、うんとしたの淵まで流されてしまいます。

流されるだけなので死なないけど、また最初からやり直しかぁ・・・となるので、頑張る。

ここはフィックスを張るのが良いです。

ビレイしていて流されると、窒息してしまいます。

なので、フィックスにして、ロープを頼りながら、各自がフリクションを活用して登る。

一点はカム、残りは肩がらみです。

一回目は私が肩がらみしたのですが、けっこうテンションが来たので、二人目は男性に代わってもらいましたが、結構大変。

ここでは、リーダーが一人おんぶで担いで上がったのには、感心しました。

おひとり滑って墜ちてしまったのです。

一瞬ドキッとした。

必死でロープにつかまる・・・こちらも必死でロープを手繰る・・・。

わーいと泳いでいます。

泳ぐの実は苦手。

平泳ぎです。沢では平泳ぎと聞いたのです。
顔を出して泳ぐ。

モンベルのライフジャケットを買って行き良かった。

薄手のライフジャケットより、しっかりしていました。ライフジャケットはきちんと浮力があるものがおススメです。


最後はゴルジュを抜けて、河原になると終わり。

日向で冷えた体を温めます。

この日は夏日だったのに、ウエットスーツを着ていない人はガタガタと寒さに震えていました。

私は、ノースリーブ、半ズボンのウエットスーツを着て、上に沢ウエアを着て、さらにズボンとレインウェア。

しっかりしたウエットスーツならそれだけでもよかったかな。



 帰りはこのようなウォータースライダーです。

もう、絶叫系!

びっくりした~!!!

一瞬の出来事で何が起こったのか?分かりませんでした。

気が付いたら淵にドボンしていました。

イメージは、うーんと早い滑落停止訓練?

雪上訓練では、間違って上下反対にもったピッケルを持ちかえる余裕まであった私ですが・・・今回は余裕なし。

水って、私の中では愛憎の対象なんです。

水がきれいで飛び込めたらいいなって思うけど・・・怖い。

前世で溺死でもしたのでしょうか?

いや、3つの頃、父親にプールに落とされたのがトラウマなのでしょうか?



 ヘルメットにカメラをくっつけ動画撮影してくれた人がいて、その写真。

こんな感じです。

なんか、また行きたいんですけど・・・。

しかし、淵に飛び込むのは、よく飛び込む位置を考えないと難しいです。

一回、水流に巻き込まれそうになった。

淵はどこに飛び込むのが良いのだろうか・・・。

沢の教科書を山岳会の人に貸しており、手元になく、調べられない・・・。

ウォータースライダーは、こんな感じです。

鼻の中に水が入って大変。


さて泳いで戻ります~

気持ち良い!

翌日もまた泳ぎに行ってしまいました。

どこかでお尻を激打し、イテ~。

お尻のお肉が厚くてよかった。

後は、F1の飛び込みが怖いだけでしたが、今回は水量が多かったので、遠慮して、旧登山道を歩いて帰りました。

翌日、ここにまた行ってみたのですが、スラブを乗り越えたところで帰ってきました。

下山はサクサクと小一時間歩いて、駐車場です。

帰りに久しぶりの友人に会いました。

釜の沢から2年、このゴルジュはまた再来できたらいいなと思う場所でした。





≪学び≫

・三種の神器

 ラバーソール沢靴、ライフジャケット、ウエットスーツ(あれば温かい)

・ライフジャケットは、体重と浮力をチェックして買うべし。 (おススメ:モンベル)

・沢靴は、フエルト底は、花崗岩の滑ではフリクションが効きづらい。ラバーソールがおススメ。
 ラバーなら、モンベルでも、キャラバン渓流でも良いようだ。

・ウエットスーツは寒さを我慢するなら、なくても良い。レンタルが好都合。

・キャラバン渓流はサイズが大きめ。私は普段の靴が24なのに、23.5を購入したが、それでも大きい。大きいと登りづらい。

・ランチに温かいものを持って行ったのは良かった。サーモスにお湯を入れて行ったのも良かった。

・マイクロカムが有効。横のクラックなので、棒フレンズはダメ。

・フローティングロープ。 

・アブミ、できれば3個。 (10個持って行っている記録もある)

・ほぼ全員がレインウェアを着た。

≪関連サイト≫
連れて行ってくださった方のブログ
記録1
記録2

二つのほら貝のゴルジュ

週末は忙しく過ごしました。

日曜日は楽しみにしていた、ほら貝のゴルジュの遡行でした。その日、遠方からの山の友人が訪ねてきたので、翌日月曜日にまた西沢渓谷とほら貝のゴルジュまでの散策に出かけました。先ほど、友人を見送って、帰宅。

なんだか人の温かみに触れて、楽しい週末?もとい、”週の初め”でした。大きな山行の計画も始動しはじめました。

■ Day1 ほら貝のゴルジュの遡行 

新鮮な経験でした!

いつもより水流の流れが速く、条件の悪いときに当たったようでしたが、わたしは、吸い込まれそうな、きれいな水の中にドボン!と浸かるような沢をしたかったので、今回はそれが出来て、すごくうれしい沢でした。

ほら貝のゴルジュは、知り合いから話を聞いたことがあった沢でした。その時のリードクライマーがアブミを掛けようとして、落ちた、という笑い話を聞いている場所(笑)。

アブミがないと登れないのかぁ・・・という情報だけは、バッチリ入っていた。色々、遡行記録を読みましたが、今回は、連れて行ってもらえる、ということで、あまりアレコレ用心をせず、行きました。

連れて行く人が大丈夫って、言っているんだから、大丈夫。 

私も連れて行く側をするから、分かるのですが、連れて行けるかどうか、歩けそうかどうかは大体、連れて行く側が判断します。

まったく、どんな沢なのか知らずに行くのが楽しい♪ 

行って見たら、どっぷり水と戯れる沢でした☆ 今までの地味で、暗い沢と違って、ウォータースポーツという感じ。

クライミングの面では、ちょっとハラハラ。リードは、もう少し精進が必要そうな気がするスラブ。それでも、ロープがあれば、なんとかなった!

写真を撮りたかったのですが、防水カメラを冬山合宿で落として紛失してしまったのが、悔やまれる・・・しかし、まぁ、写真は撮ってもらえたので、また後程、詳細に記述します。

今回は、ラバーソール沢靴、ウエットスーツ、ライフジャケットが三種の神器でした。私はラバーソールを新調し、ウエットスーツも半袖半ズボンの物を買い、ライフジャケットも購入して行きました。

おかげで装備の不利はなく、とくにライフジャケットは、ちょっとオーバースペックかな~という値段のものでしたが、買ってよかったギアでした。

核心部はアブミが出るスラブ、大きなトイ状のところです。 トイ状のところでは、滑って立ち上がれなくなった人も出てヒヤリ。やはりフエルト靴では、しんどそうです。ラバーソールに軍配があがる沢。

実はもうF1から、ダメではないかと思ったりもしたのですが、ダメでは・・・と思うのは、いつものこと・・・。

ただそれを差し引いても、うーん・・・と、自分一人では考え込んでしまう滝が多かったので、ここはやはり連れて行ってもらってこそ、なんとかなった遡行でした。

ウォータースライダー!!!

ここは遡行も核心部が多いが、下りもウォータースライダーが核心の沢です。

遡行も終わり、楽しくウォータースライダーして、14時半ごろ、下山したら、友人から、”12:20に下山し、今美術館にいる”という、連絡をもらってビックリ仰天し、大そぎで帰宅し、友人をピックアップ。

■ Day2 西沢渓谷&ほら貝のゴルジュ見学

友人とは甲府のスタバで待ち合わせ。2年前に山で出会った年輩の友人です。白峰三山を縦走してきた帰りです。

翌日、どこでもよいから山へ・・・・という話だったので、色々考え、最初は宝永山に行こうかと思っていました。

なにしろ、甲府近辺の山は標高が低く、夏は暑くてやってらんない!標高が高い山は今降りてきたところだし。

地図読みが必要になるような山はどうかと思ったのですが、そういう山は低標高の山か、沢なので、沢登りはしない人だしなぁ・・・。

クライミングの要素がある山、とも思ったのですが、彼女はクライミングはしないし・・・例えば、中高年に人気の鶏冠山。山梨百名山に入っている上、多少の確保が必要で、周囲の人にも自慢になる。

・・・が、その鶏冠も標高が低い場所の岩尾根なので、暑くて不快だろうなぁ・・・という山です、真夏は・・・。

他の候補として、金峰山の南面からの登頂は、知った人とでないと行くのが難しいので、案内したいと以前から思っているのですが、そこも南面の岩尾根。暑い上、一泊二日の行程が必要。

涼しい場所で、沢ではなくて・・・、と考えた末、結局、西沢渓谷&ほら貝のゴルジュ見学に。

西沢渓谷は、一週3時間のコースですが、沢沿いが半分なので涼しいです。山頂を目指す山という感じではないです。ハイヒールの観光客も来るような場所ですが、毎年誰か墜ちて死んでいる・・・まぁ、舐めてかかられていることで知られる場所です。

ほら貝のゴルジュは、昨日行ったところですが・・・西沢と対を成す東沢の途中にあるゴルジュ。夫と一緒に来たいと、おと年思った場所でした。ただ登山道が旧道なので歩き慣れていないと難しい。

東沢釜の沢は、昔は登山道だった場所なので、沢登りをしない人も、その古い登山道を使って、名瀑で知られる場所を訪れることができます。

というわけで、2連チャンで、ほら貝のゴルジュに言ってしまいました。ほら貝のゴルジュでは、水遊びしようと思っていたので、ライフジャケットを持って行きました。

私は、またドボン!と入りましたが、同行者は、びっくりしたみたいなのと寒いかも・・・というので、入らず、残念。しばらくゴルジュの前で遊んで帰ってきました。

7時半登山口で、12時半には、西沢渓谷一周し終って、ほら貝のゴルジュ。 下山は14時。一番暑い時間帯に甲府に帰ってきてしまいましたが、16時頃はエアコンの効いたお部屋で、お昼寝して過ごしました(笑)。

ほら貝のゴルジュ!夏でもひんやり~


■ 友人との語らい

今回は友人との語らいが、印象的でした。

昔から山が好きな人は一緒で、アウェーの中、頑張ってきたんだなぁと・・・。

年輩の女性の友人の話は、非常に色々と勉強になりました。私が発見していることなど、当の昔に分かっていたことばっかりなのです。

・・・という感想を書いたところで、また記録は後程・・・☆


7/16/2015

キャラバン 渓流 KR1-R

 ■ キャラバン渓流

キャラバンの渓流という沢靴です。

なんだか最近、モデルチェンジしたのかなぁ・・・

去年買った、大峰、というモデルはもう、公式サイトには載っていません。

公式サイト
https://www.caravan-web.com/caravan/keiryuu/index.html

渓流は非常に高額です。

17000円くらいしました。登山靴を沢用に降ろすことを考えたほうがいいかも・・・。
 ソールも、アクアステルスからイドログリップへ変更になった。

こんな形です。

 前の大峰のフエルトソール。

つま先だけが減ってきてしまった。
 まだほんの数回しか履いていないのになぁ・・・

ズミ沢、伝丈沢、伝丈沢、ナメラ沢、本間沢、板敷渓谷、ヤチキ沢。

7山行でパー?

代わりのフエルトはどこで売っているのでしょう????


 つま先以外は平気なので、
つま先だけを交換したい。
 イドログリップとの比較。
新品と七回目の靴の比較。


7/13/2015

沢の難易度

■沢の難易度

初心者を連れて行くならどこがいいか?という発想で色々と考えています。

「ヤマケイテクニカルブック4:沢登り」によれば、グレードの基準は

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1級(初心者向き)
 岩場でIII級のピッチをリードできる者や、沢に慣れたパーティーはロープ不要の場合が多い。

2級(中級者向き)
 初級者のみでの入谷は控えたい。滝の直登にはロープを要する場合もある。高巻き技術も必要。

3級(中級者向き)
 滝の直登には部分的にIV・V級のピッチも含む。ゴルジュの通過にも高度な技術を要する。

4級(上級者向き)
 沢の中でビバークする長い谷で、高巻き道も不明瞭。遡行技術だけでなく雪渓の対処法など総合的な登山技術も必要。

5級(上級者向き)
 日本の渓谷としては最高ランク。泳ぎ、徒渉、高巻きなどで失敗すれば命取り。年に10パーティーほどが遡行に成功している。

6級(篤志家向き)
 昼なお暗く、井戸の底のようなゴルジュ帯が続く異様な世界。雨が降っても逃げ場はなし。完全遡行パーティーは極めて少ない。

例:
   芦川横沢3級ノーマル 
   四十八滝沢2級マイナス 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しかし、人を連れて行くとなると、その人の経験は色々で、沢の経験があっても連れて行かれるだけの場合は、登攀力の証拠にはなっても、地図読み力の証拠にはなりません。

同じ1級でも地図読み要素があるところには連れていくのは用心が必要です。

と、あれこれ考え、今まで行ったことがあるルートを、難しい順に並べてみました。

こうなりました。 

≪個人的易しい順ランキング≫
1.ナメラ沢 歩くだけだが滑がコケで非常に滑りやすい 長い
2.金石沢 歩くだけ 滝は見るだけ 簡単に巻ける 短い
3.伝丈沢 ひざ下 濡れたければ濡れれる 短い 
4.ズミ沢 絶対に濡れる 水量が多い沢 短い 
5.本間沢 ずぶぬれ 短い 
6.モロクボ沢  バランスが良い 
7.釜の沢  スメアリング 長い 
8.ヤチキ沢 脆い 危険 
9.海沢  泳ぐ 
10.芦川横沢  スタンス極小

■ もっと分割して考えよう・・

しかし、これは隔絶という要素を考えていないことに気が付いた。

考える要素は

1) 安全圏との隔絶度
2) ルートの登攀要素
3) サイズ
4) 水量
5) 脆さ
6) 下山道の容易さ
7) 事故歴の有無

くらいでしょうか・・・

■1) 安全圏との隔絶度

当然ですが、安全圏と隔絶されていればいるほど、アブナイです。沢で怪我をしても・・・

 ・山小屋があるわけではない
 ・携帯電話が入らない
 ・ヘリのピックアップには尾根まで負傷者を担ぎ上げないといけない
 ・日本では夜間救助はないので、ビバークになることが多い

 というわけで、一般的な岩のゲレンデや毎日ヘリが飛んでいるような、北アなどの縦走路より危ないです。

 遭難した時に迅速な対応をしてもらうためには、隔絶された場所では3人がベター、です。最低限は2人です。

■2) ルートの登攀要素

当然、  登攀要素 大  >  小 
        危険  大  >  小

です。 滝の数や難しさより、残置支点の有無が重要かも。

■3) サイズ

サイズは体力度との関係です。 短いルートの方がより易しい。ただし、これは計画で短くすることができます。

■4) 水量

水量=溺死可能性。 水量が多いほうが溺死の危険が大きい。 釜が深いと、墜ちたら死にます。泳ぐ要素があると、泳げない人には危険です。

しかも、水温も関係します。雪解け水の沢は非常に寒いです。低体温症の恐れがあります。

逆に水量が少ない沢は、ぬめっていて登攀が難しくなりがちです。

■5) 脆さ

脆い沢は、ホールドやフットホールド(スタンス)がすぐ壊れます。これは岩質によります。

脆いと書かれた沢は、雨の日には辞めておきましょう。支えている土壌が緩くなっていた場合、通常は動かないような大岩が、少しの刺激で動いてしまう可能性もあります。

■6) 下山道の容易さ

下山は尾根です。地図読み力が必要で、尾根の下りは、地図読みは難しいのが相場です。

が、人気があるルートは、大抵は、踏み跡があります。また一般登山道を下山道にしているルートは、下山が簡単。

そのルートの経験者がいれば、これは簡単になります。

■7) 事故歴

事故歴があれば、やはり気を付けた方が良いと思います。

■ これらの要素を5段階で採点し評価してみました

行ったことがある沢を試しに採点してみた。

1) 安全圏との隔絶度
2) ルートの登攀要素
3) サイズ
4) 水量
5) 脆さ
6) 下山道の容易さ
7) 事故歴の有無

        1) + 2) + 3) + 4) + 5) + 6) + 7) 
1.ナメラ沢 2    1   4   1    1   3  2 = 14
2.金石沢 4  1  2  1  2  3 0 = 12
3.伝丈沢 4  1  3  2  2  3 0 = 15 
4.ズミ沢  1  3  2  3  1 1 0 = 11
5.本間沢  2 3 3 3 1 2 4 = 18
6.モロクボ沢 2 3 2 3 3 2 4= 19  
7.釜の沢  2 3 4 3 2 1 4 = 19
8.ヤチキ沢 3 4 3 2 4 4 2 = 22
9.海沢 1 2 3 4 2 1 2 = 17 
10.芦川横沢 2 4 2 2 2 3 = 15

と意外な結果になりました。 登攀要素があっても、一番易しいのはズミ沢。芦川横沢より、ヤチキ沢が難しくなるのは、横沢が道路からすぐにあるから・・・。

登攀要素のあるなしだけでは、沢のむずかしさは、計れない、ということですね。

ちなみに、芦川横沢は2級、後はみな1級の易しい沢です。

1級しか登らなくても、隔絶された場所には、リスクはたくさんあると言うことですね。

7/06/2015

日向山 ヤチキ沢

乙女だって登攀
■ ヤキチ沢

今日はヤキチ沢に行ってきました☆

うーん、楽しかった☆

この沢は意外にも、下山の方が核心で、

  尾根の末端は急なことが多い

という格言(?)を地でいく尾根という感じでした。

■ 危険認知

地図読みの山をするようになった時、最初に可能性があるリスク(危険)の最初の一つとして、教わったのが、この格言でした。

尾根の末端に、下りれないほど急な尾根が出てきたらどうしよう・・・(ーー;)

と心配した私は、対策として、

 懸垂下降ができるようになろう!

と思い、懸垂下降をマスターしたくらいです。

≪メモ≫ 
      リスク          対策
下りれないほど急な尾根 → 懸垂下降

その後、地図読みをマスターした後は、ちゃんと30mのロープを持って山に行きました.。

ところが、地図読みの山であっても、末端が急でも降りれたりしたので、確率でいうと、懸垂下降が必要なことは稀でした。

尾根を降りるときは、

・出だしで隣の尾根に入らない
・末端が急

を最大の注意点にしています。

■ 沢の際が脆い

今回はまた新たな”危険認知”が分かりました。

  脆い沢 = 沢の際が脆い

沢の際のあたり、というのは、けっこう登攀の弱点になっていることが多く、ハンドホールドによくします。

が、脆い沢のどこが脆いのかというと、沢の際が脆いのです。

水流が流れている辺りは、脆さはすっかり洗い流されているので、しっかりしたホールドが多いのです。

つまり、脆い沢ほど滝心を行った方が安心ということです。脆くないのは滝心です。

今日は2回ほど、レンガ大のハンドホールドにした岩が外れました(笑) それは予想の範囲で、掴んでいるので、問題ないですが、ホントに脆いんだな~と納得した次第。


また、フットホールドのほうですが、一度崩れました。

ベテランが直登した水流のラインが一段が高く感じたので、私はそこを通らず、易しいと思われた傾斜の寝た際を通りましたが、そこは草が生えていたのに、私が踏んだ後、崩れ落ちました(笑) 

岩と草木の際もやっぱりあんまり丈夫ではないようです。

水流がない濡れた岩はコケでぬめっているし、コケではなく、ちょっと土がついたところは、十分沢から離れないと土の部分が薄く、すぐはがれる程度の薄い土壌のようでした・・・。

岩の上に乗った10cm厚の土壌よりは、何も乗っていない裸のままの岩の上の方が安心です。

今日の学習は、脆い沢とはどういうものか、というものです。

■ 日向山の沢

ヤチキ沢に関しては、

 脆い沢
 下山の尾根が急

という2点を頭に入れていけば、登攀そのものでの困難はそうない沢です。

ナメもあったけどヌメッて怖い!
もちろん、登攀よりも、

(ザイルを出すべきところでザイルを出す判断力



(的確な支点を作れる力)

のほうが、登攀がある時はいつも大事です。

(登攀力) = 

(登攀) +(ザイルを出す判断力) +(支点作成能力)

■ 雨、花、苺、霧の滝

今日は、雨を心配していましたが、奇跡的に甲斐駒付近のみ雨雲がかからず、曇り空で振られずに済みました!奇蹟ですね!

もう一つの候補地、板敷渓谷はすっかり雨雲の下でしたから、選択が良かった、ということになります。

そして、びっくりしたのが源頭部近くでのシモツケ(コアジサイ)の群落。

多分シモツケだと思うのですが、びっくりするくらい一杯咲いていました~

そして、山頂付近では、いちご畑!

食べてみたら甘かった!ビタミンC補給です(^^)。

ココは知っていたらまた来れるので、また行きたい!と思いました。野イチゴを食べる会?

そして、山頂ではお約束の白い花崗岩の砂場・・・

その奥には甲斐駒の前衛、鞍掛山があるのですが、手前に霧の滝という100mの大滝があるのだそうです。

アイスになるとすごい氷瀑になるそうです。ここに写真があった!

http://syokeikai.blog136.fc2.com/blog-category-9.html


やっぱりベテランと行くと色々と勉強になります。



ツメのお花畑
■ 的中度アップ

今回は予習がなかなか的確だった沢でした。

予習と実際の的中度合いが向上した感じがしました。

沢の困難度や、地図読みのポイントが的確さが増していました。

もちろん、見る景色を予想して行ったわけではなく、どんな景色を見ることになるかは知らずに行きましたが・・・

ルートファインディングに関する読図のポイントは外していませんでした。

何かなぁ?
≪読図ポイント 沢≫
・分岐(枝沢の流入点)
・屈曲

≪読図ポイント 尾根の下り≫
・出だしの角度
・分岐 (尾根の頭)
・尾根の末端


甘くておいしかったイチゴ

■予想外

一方、予想外だたのは、尾根の末端。

予想以上に急でした。

最近、等高線に自信をつけていたので、等高線の込み合い具合からの予想を上回る急さで、地図を見て油断をしてはいけないな~と、気を引き締めなおしました。

油断&慢心は禁物だな~。

急っていうより、そこは脆いから、脆さによって崩れた段差が階段状になり、急に感じるってことなんだろうなぁ~。

沢ブーム勃発。

今は沢にじゃんじゃん行くべき時だと今日は確信した日でした☆

■ 必要装備

ロープ8.5mm ×30m、カム適宜 中間支点は3つ分ほど。あとはアンカー用。

ハーケン数枚、ハンマーは持参したが使わず。

ヤマレコはこちら。

連れて行ってくれた方の記録

 

沢の増水

山梨は今日も冷たい雨が降っている・・・。

雨になると、山を中止にするようになるのは、山が近いための贅沢病だ。

そのことについては、こんな学び方をした。

■ ドタキャン

数年前、今からパートナーシップを温めようとしていた山の友達に、山をドタキャンされた。山中湖付近の山の、約束の登山口に、後10分で到着という時だった。約束した人は電話を掛けてきて、「雨だから辞める」。そんなのアリ?日ごろ、ツアー登山の人だから、自分が抜けることでパーティが成立しなくなる不都合については、考えなかったらしい。それでも、あきれた。相手が困ることくらい考えれば分かる。

それで単独でいくことにした。が、山は、行けば行ったで美しく、やっぱり行って良かったな、と思った。ズミの花が美しく、その山の経験は、私にとっては大きな財産になった。

■ 増水についての判断 

先日行ったヤキチ沢は、増水を心配した。しかし、当初は、雨による増水を心配した。

調べたら、アメダスの降雨量は、1時間あたり降雨量 だった。それでは沢の増水は予測できないかもしれない。前日24時間のトータル降雨量が必要と思う。24時間降雨量で検索すると、気象庁のデータがちゃんと出てくる。

同行者によると、100mmの雨では中止決定だそうだ。それは、一時間あたりなのか、何なのか分からなかったが、アメダスの表示のことではないか?と思う。一般に林道は一時間当たり50mmの雨で閉鎖になる。(山梨県林道 HP

この気象庁のデータを見ていると、おおよそ、韮崎は甲府より、降水量が少ないようだ。前線が太平洋側にあるか、日本海側にあるかにもよるとは思うが、どちらにしても、日照時間日本一の明野をもっている土地柄なので、全般にどちらの海の影響も受けにくい内陸寄りほど降雨の影響は受けにくい、ということだと思う。

水量は少ない。サントリーの南アルプスの天然水の取水地がある、というのは、ちょっと意外だ・・・。


■ 増水なし

行って見たら、ヤキチ沢は、まったく増水していなかった。

いや平素の状態を見ていないので、比較はできない。けれど、まぁ普通の沢として見ても水量が少ない沢のようだ。アイスでも使える沢と聞いた。つまり水量が少ない沢という意味だ。

増水の心配がなければ、沢では、どうせ濡れるので、多少の雨なら、まぁ関係ないことが多い。

ただ雨により、グランドが緩くなるので、もともと脆いことで有名な沢には、近づかない方が賢明だ。大きな岩などを支えている土壌が緩んで、ちょっと手を掛けただけで転がってきたら困る。

やはり、登山は、こうして個別に条件を検討して、安全を確保するのが大事なこと、だと思う。

まぁ、そういう訳で言いたかったことは、

 雨だったけど、やっぱり行って良かった、

ということだ。

■ 大事なこと 個別判断

私が嫌いなのは、先入観や思い込みで判断することだ。 たとえば、 雨の日=危ない=行かない。 これでは何を判断したことにも、全くならない。

 どんな判断も、根拠を突き詰めるというのが、大事なことだ。 

たとえば、雨の日の沢は危ない、しかし、どれくらいの雨でどこのどんな沢が危ないのか? それが大事な要素だ。

行って見て危ないと思えば、判断して帰ればよい。最初から何もしないのが一番いけない。

単なる、危ない危ないの大連呼だと、運転だってアブナイし、家にいたってつまづいて死ぬのだから、生きていることだって危ない。死を恐れて生きることをおろそかにするなんて本末転倒だ。

”危ない”を”危なくない”に変えるために、大事なことは、

 本質で判断する、

ということだ。たとえば、雨での増水が危険だというのなら、増水を個別に調べることによってしか判断できない。

調べた結果、増水していないのであれば、住んでいる場所で、ひどい雨だからと言って、これから出かける先では、それほどひどい雨ではないかもしれない。

それは、YESかもしれないし、NOかもしれない。

大事なことは思い込みを捨て、自分の頭で本質は何か?と考えることだ。


≪まとめ≫
・増水は、連続雨量100mmは異常。50mmで林道閉鎖

・雨天時は、脆いことで有名な沢には行かない

・雨天時は、もともと水量の少ない沢に行く

・増水していなければ、雨はあまり沢山行には関係がない

・個別に判断することが大事