8/23/2015

多摩川水系 丹波川小常木谷

昨日は、小常木谷へ行きました☆ 小常木沢は大きさが核心だと思っていました。遡行時間7時間、標高差940mは長い。今回は短縮バージョンになってちょうど良いサイズに・・・。

現在、沢登は修業中の身です。尾根とも雪とも違い、沢は沢で経験の蓄積が重要だと実感中。

しかるにその中身は?というと、経験の質を高めるためにあるのが記録。やはり復習は重要だと実感中です。面白かったのですが、やはり反省点もまだまだあると帰ってから納得。

≪今回の学び≫

その1) 入渓する沢そのものを間違えた

 入渓点は、地形の証拠、2点以上。今回は、沢の角度を測って行けば良かったことでした。

その2) 奥秩父の沢の場合、多くの沢でラバーソールは向かない。

 小常木沢は茶色のコケが多く、ラバーソールは全然向きませんでした(汗)。今回は私は小滝の登攀で滑ってコケること1回。どこも怪我がなかったのですが・・・ウォータースライダーの裏表反対バージョンに・・・(^^;)。はぁ(ため息)

その3) 短縮バージョンを常に持つ

 入渓する沢をまちがったので1時間半のロス。とりあえず、本来の入渓点で検討・・・短縮バージョンへ。そういえば、前に見た記録も短縮バージョンでした。核心部と言える難しい部分は越えたので、問題なし。今回は大きな山で9時間53分の山、10時間行動です。大きい山だとミスをしたときに、挽回がキツキツになる。今回は岩岳沢に逃げました。

結果的に、計画通りのコースタイムで歩けました。

余慶橋5:00 小常木沢出合い6:30 花ノ木沢出合い7:20 銚子の滝8:00ー8:30 大滝10:00 ねじりの滝10:43 岩岳沢出合い11:15 ツメ終了岩岳沢のピークの肩 13:30 下山完了16:00

その4)進路決定は地図に相談。

 歩きやすいところを歩いていると、遠回りのケースも。

その5) GPS軌跡の大きなブレ

 沢では、休憩するとかなり大きなブレが記録されるようです。GPSの精度を上げるためには、ちょっと工夫が必要かもしれません。要研究。

その6) 笛のコール

 滝の登攀の前に合図を決める。登攀の方式も決める。ピー = OK ピッピッピー=ダメ、ロープ出して~の意味。以前七倉沢で練習した時は似たコールで、沢中で同じような音が響き、大混乱したのでしたが、今回は1パーティしか入っていないので、問題なし。

その7) 中間者結び。 
 
 中間者結びで。8ノットで習ったがクローブヒッチの方が解きやすい。

その8) 地図の携帯法 
 
 いつもジップロックに入れているが、畳んでおり曲がったところから濡れるので、今回はビニールシートにしてみたが、これもうーんな結果に。 要するに地図はバックアップが必要。

その9) 遡行図を描く

 遡行図を描けるようにならなくてはならない。

その10) 忘れ物
 
 今回はヘルメットをまた忘れたので反省。ナメラ沢の時も忘れたんだった・・・準備周到に。どうも地図を用意して満足してしまうのが良くないですね。

≪まとめ≫

総合すると、登攀技術よりもルートファインディングで気を抜かないことが最も重要なポイント。

まぁ、多少気を抜いても、帰ってこれますが・・・それは結果論に過ぎない。今回もツメで出たところは、私が地図上でここだと思っていたところと同じだったので、大きな問題はありませんが、よく見ると右股を詰めると山頂直下に出れる。結果的に、こちらの方とまったく同じトレースを辿ったことになりました。

下山は登山道と思っていると、ツメのルートファインディングのための下準備の地図読みがおろそかになりがちだということですね。最初から記録をみるのではなく、全部を初登のつもりで準備する、ということが大事なのかもしれません。

ギアは、30mと40mロープの2本。5人パーティです。滝は10mだったのに40mを出しました。

■ 詳細

 入渓点。丹波川本流と小常木沢の出会い。

目の前にあるのは丹波川本流。

当然、直進してしまうと、丹波川本流です。

胸まで浸かる徒渉で、これはこれで、なんだか本格的な沢?で楽しめました。

が、本来の沢ではないので、ロスは1時間半。

水量が多い時点で気が付くべき。実は私はこの二股で地図を出したのです。それでも気が付いていないとは・・・。トホホ。

地形の証拠: 

 ・道路が上に並走している
 ・沢の方角
 ・水量
 ・次に出てくるべき、地形が登場してこない

・・・次のシナリオを常に想定していることが大事。

二股で入渓する場合は、角度をあらかじめ出していく。
 ここが本来の二股。

現場で見ると全然違うが、行ったこともなく、地形図しかしらないと、二股は二股だから、どれも同じように見えてしまうので、間違いやすい。

二股では地形の証拠を集めなくてはならない。
 さて、気を取り直し、核心部の銚子の滝。10m。

ここはⅢ級くらいのクライミングだそうだ。

左の凹角を登る。途中に残置が2点ある。

クライミングそのものは易しく、フォローで問題なく登れた。

自分がリードすることを想定すると、リードする際に、何が困難さを想像させるかと言うと、もろさなどではなく、傾斜角度だ。

立っていたり、長かったりすると緊張するという訳だ。

つまり、寝ている25mはフリーソロを平気と感じるが、立っている10mは同じくらい易しくても、緊張する、ということ。

緊張は技術を鈍らせるので、コントロール可能でなくてはならない。

最初30mで登ったが、40mに入れ替え。長いロープはやはり必要なようだ。

 これは奥に見えるのが、大滝。これは近づいてみたら、以外に登れそうに見えたが、登らないことになった。

右の尾根上のところから、大高巻をした。

髙巻は非常に難しいことを学習中だ。ラクもあるし、”落ちたらコト”な足場を通る。また高巻きから沢に戻るには懸垂が必要だ。

髙巻で、もっとも不安なのは足場が不安定である、ということだ。狭義のルートファインディング力が重要になる。

足場の不安定さ、という要因は、なぜだか、高さとは違って不安要因になっていない。

・・・ということは私は髙巻派なのだろうか???
 休憩中にみた紫色の花。なんだろう?
これが核心部のねじれの滝。2段で屈曲してねじれながら流れているのが、「ガイドブックと同じだー」と思わず、思ってしまった。ガイドブックと同じことを確かめるような山行をしてはいけないのだが、ついそうなってしまう・・・。

ここも大巻した。懸垂がまた一回。髙巻のルートファインディングは難しい。

下降の安全度は、自分で管理できることなので、自分用に短いロープを持つべきかもしれない。7mm×10m~15mで良い気がする。
岩岳沢。

岩岳沢でも、二股で滝が出てきた。

登りやすそうという理由で、左の沢を詰めたが、ここは同じことをする人がいたらしく、上部で、青いスリングを拾った。最近拾いものが多い。

しかし、良く考えれば、右の沢を詰めていれば、岩岳沢山頂直下に出れたわけで、選択肢がある場合、よく地図と相談して、考えて選ぶべきだということだ。

地形図によると、困難度はほとんど変わらなさそうだった。

つめでの選択肢の取り方は、これという王道はないのではないかと思える。

ツメの笹やぶは枯れていて、快適に詰めることができた。

これはガイドブックの記述とは大いに違う(笑)。植生は変わっていることが多いので気にせずともよいのかもしれない。




≪同行者の記録≫
沢登 山歩き
深山渓人

参考になる遡行図

http://blogs.yahoo.co.jp/jojo_stand_by_me/66916304.html より引用。