9/04/2015

ヤマレコでストーキング被害報告がありました

■ストーキング?!

ヤマレコでストーカー被害が報告されました。

http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=1297

簡単に経緯をまとめると…

山で偶然の出会い
→さらなる偶然の出会いをヤマレコの計画書を悪用して演出
→個人情報交換
→ストーキング

ということだそうです… 非常にびっくり!な結果ですね。女性の目から見ると、一言、

怖い!

です。登山計画の悪用、ということです。

■ 誰に下山遅れを見つけてもらうか?

山行計画書は、山岳会に属していれば、通常は山岳会に出します。下山が無かったら遭難ということで、そうと確定すれば、警察署に連絡してくれます。また捜索にも出かけてくれます。

このことを 山行管理、と言います。山岳会の存在意義はそこにある、と一説に言われています。

一方、ヤマレコの計画書では、ヤマレコの自動連絡機能が山岳会の代わりをしてくれる、というわけです。(これは後述するコンパスでも同じです。)

プロのガイドさんはコンパスという名のサイトの利用を推奨していることが多いです。これは、ガイド組織がコンパスを作っているからですね(笑)。

≪まとめ≫

 山岳会経由  個人 → 山岳会 → 警察署

 無組織登山者 個人 → 警察  

 プロガイド    個人 → 警察

流れ的には、個人もプロガイドも変わりがない? 連絡と言う面で見ると、直接警察に連絡した場合のほうが、通報と言う意味では早いのかもしれないと思えます。

■ ヤマレコやコンパスのメリット?

ヤマレコやコンパスのメリットは何なのか? たぶん、使う側の理由より、行政側の理由の方が大きそうですが・・・とはいえ、たぶん、計画書が電子ファイル化されていれば、検索で情報がヒットできるため、対応が容易で、結果としては早いかもしれません。

例えば、登山口で登山ポストに出す登山届では、人の目で一つ一つ見て、仕分けしなくてはなりません。私も登山前に登山ポストに登山届を入れて、下山届を出していないときがありましたが、連絡が来たことはありませんよね。

余談ですが、ニュージーランドでは、DOCと呼ばれる組織が全登山、入山を管理しており、下山報告を出さないとすぐ捜索になってしまうそうです。人口が少ないからやりやすいのかもしれませんが、進んでいますね~!

私が不思議なのは、山岳会に登山届を出していても、上高地でまた登山ポストに入れる登山届を書くのですが、あれって必要なんですかね?

≪まとめ≫

・(たぶん)電子化した登山届は、登山ポストより、遭難した時、情報の特定が早い

■ コンパス?

では、プロであるガイドさんたちは、どうしているのか?と言いますと…コンパスが推奨されています。

使用法はこちら: http://www.mt-compass.com/teishutsu.php

機能はヤマレコと同じです。

下山遅れを見逃さないよう、下山の確認を促すメールが各種設定したメールアドレスに自動送信される、という仕組みです。

機能を提供している側である、コンパスやヤマレコは、個人情報を一時的にプールしている、という訳ですね。いや~イマドキ、個人情報は宝の山です(^^;)。

コンパスはヤマレコと比べて後発のため、

 1)既にある記録から、ルートをコピーして山行計画を作成する機能がない

 2)登録されている記録数がヤマレコとくらべ少ない

 3)そのため、参考にできる新鮮な登山情報が少ない

 4)バリエーションルートが載っていない

という問題があります。ヤマレコのほうが、平たく言えば、使い勝手に優れています。

■ 地図共有や印刷がらく

私がヤマレコの計画書を使い始めたのは、

 ヤマレコでは地図の共有が簡単だから

です。

個人山行では、カシミールで地図を印刷すればいいことなので、ヤマレコを計画に使ったことはありません。

登山では、一般に、地図は2万5千の地図を通常、携帯するのが常識です。

地図の準備は、人それぞれ好きなようにやればよいのですが、2万5千の地図は売っている書店が少ないです。

国土地理院の地図は、実は、インターネットで注文し、取り寄せもできます・・・が、今度は、インターネットが使えない、もしくは使いたくない人もいます。

あとは、明日行きたいのに、郵送を待っていては間に合いません。

国土地理院の地図は、無料で全て公開されており、ウォッチずにアクセスすれば、誰でもすぐ印刷でき、良い時代になったなぁ~という感じです。

昔の人はどうやって地図を入手したのだろう???昔より今の方が格段に2万5千の地図は入手が容易なのでは、と推察しています。

うぉっちずやカシミールより、地図印刷の敷居が低いのがヤマレコです。

ヤマレコは、該当するルートを中心にした2万5千の地図の印刷が1クリックででき、印刷領域を加減するだけで、必要な個所を印刷できます。

≪ヤマレコで2万5千の地図を印刷するメリット≫
・地図が無料
・印刷が容易
・共有が容易
最新の地図が入手できる
拡大縮小が容易
すぐ手に入る
・計画書をそのまま山行報告書へ利用できる
・前に歩いた人のルートを計画書に転用できる 

私はしませんが、GPSをダウンロードすれば、その軌跡をナビにも使えます。ただそんなことをしたら、前の人が歩いた箇所をなぞるだけの登山となり、何が面白いのかなぁ・・・となるので、そのような使い方はしたことがありませんが。

というわけで、非常に使いやすいです。

コンパスの方は、段々とヤマレコの登山計画書並みになってきているようですが、

・後発であることと
・お役所目線で作ってある

だけにユーザーの使い勝手よりも、どちらかというとお役所仕事的な感じが先立つようで、イマヒトツ、使う理由が見当たりません。

ヤマレコでもコンパスでも、自宅で印刷した地図は、紙の質が悪いですから、防水加工は工夫する必要があります。

≪自宅印刷のデメリット≫
・紙質が水に弱い
・A4やA3など、自宅のプリンターの印刷サイズ限定
・最新の2万5千の国土地理院の地図のように陰影がない

■ 提出先

計画書が手書きでも、エクセルでも、ヤマレコでも、…どこで計画書を作っても、提出する先は、登ろうとする山が存在する都道府県の警察署です。

なので大事なのは、どこの山がどこの警察署の所管なのか…です。

例えば、同じ赤岳でも、野辺山側だと山梨県警になり、美濃戸側だと長野県警になります。

ちょっと余談になりますが、捜索活動に慣れているのは、山梨側ではなく、長野側です…、残念ながら現実です。

でも、山岳県と言われている県はそう多くありません。山梨県の山はこちらのメアド。

  kst-chiiki@pref.yamanashi.lg.jp

長野県警

 https://www.shinsei.elg-front.jp/nagano/uketsuke/dform.do?id=1359683176274

こちらに全国の山と登山届の提出先をまとめたサイトがあります。http://campsite7.jp/2013/12/17/3482/

助かりますね~!ネットって素晴らしい~

関東で活動する山ヤに必要そうなところだけ、抜粋してみました。電話番号だけの県もあります。

119番みたいな通報しか受け付けないということなのかなぁ?基本的に登山届けよりも、遭難と確定した通報だけが欲しいのかもしれません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【谷川岳】0278-72-3688(0278-72-3688#)
【埼玉】048-825-7166(048-832-0110#)
【富山】kenkei01@tpp.pref.toyama.lg.jp(076-441-2211#)
【剣岳冬季】富山市新総曲輪1-7(076-444-3399#)
【長野県】長野市大字南長野字幅下692-2(026-233-0110#)
【長野県】http://p.tl/H9ax(026-235-3611#)
【山梨】kst-chiiki@pref.yamanashi.lg.jp(055-235-2121#3576)
【静岡】054-271-3776(054-271-0110#)
【神奈川】045-211-1212(045-211-1212#3532)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これらの電話番号は、リーダーとなった場合だけでなく、メンバーとしていく場合でも、スマホに登録して置いたほうが良いでしょう。

どうせスマホのメモリを使うなら、有益な情報に使いたいですよね(笑)。

古くなって要らなくなった交友関係を整理して、役立ちそうな番号を入れておくのが◎。

■ その他のおススメポイント!

私は必ず山行計画書は、

 ・自宅に1枚、
 ・に1枚

と計3枚用意しています。登山口の自分の車のダッシュボード、見えるところに1枚入れておきます。

というのも、仮に山岳会の誰にも気が着いてもらえなかった場合・・・登山口に不審な車が何日もあれば警察に通報されます。その時、役立ちます。

また、車が限定できれば確実にそこに行っている、ということは確定になるからです。

 ・転進対策

よく登山では転進になります。一度八ヶ岳に行く予定で、太刀岡山に転進になったことがありましたっけ…。八ヶ岳に登っているとみんなは思っていますから、もし転進先の太刀岡で遭難したら、捜索先は八ヶ岳になってしまいます。

その場合でも、車がなければ、その山には行っていない。転進先の太刀岡で車があり、登山計画が外から見える状態にあれば、その山に入ったということで捜索範囲はかなり狭められます。

それ以前ですが、家の人に行先を告げるのは大事なことです。

私の場合は夫も地図を読めるので、バリエーションルートでも、夫が歩く場所を理解している、というのが安心の一つの材料になっています。