10/29/2015

金峰山 金石沢

■ 初心者の方と沢

今日は、沢をしたい!という初心者の方と沢へ。そこで選んだのが濡れない沢、金石沢。伝丈沢より楽なので、同沢下降もありの沢です。

いくら沢をしたくても、沢は登ったら下りねばならず、降りるには、尾根を下るか、沢を下るか?に2者択一しかありません。より安全な方はどちらか?というと尾根です。となると、尾根の下りの地図読みは必須技術。

≪ポイント!≫
 ・登ったら下りねばならない

 ・降りるなら、尾根が安全

 ・尾根の下りの地図読みは難しい

地図読みは、登山の基礎技術です。

同行者にけが人が出たなどピンチの時、人の力を借りなくても、自分で下山することができることが大事。

 ・地図読みができないと、ピンチのとき、自分一人で下山できない

■ 金石沢

金石沢は、歩くだけのウォーターウォーキングな沢です。つまり、転滑落のリスクは限りなく少なく、リスクは一般の山でねん挫するのと同じくらいです。

それに、今回は沢登りではなく、下りの地図読みや敗退が目的です。

でもちょっとがっかりな現実が・・・ コンパス、地図、高度計の三種の神器・・・持っていないことが判明・・・(--;) 地図は持ってきてくれたのですが、磁北線が入っていない・・・。それでは、どうやって地図読みしようというのでしょう・・・

ちょっと残念ではありましたが、何事も、ゼロからスタート! 


F1 大滝 10m 左から巻く


 金石沢は、たぶん、沢登りをするような人にとっては、登攀の価値がなく、したがって沢としての価値も感じられることなく、顧みられていない沢だと思われます。

なので、よっぽど沢好きでないと来ない。

F1は完全に登れない滝だし・・・

こちらのF2は、だいぶ上のほうにある滝(1420)ですが、登れるけど降りるときは懸垂。
 今回は初めて、左股を詰めました。

奥に、こんな滝が・・・

この滝の形が変わっていて、前に大きなフェイス上の岩が通せんぼしています。
 そのフェイス上の滝の裏は、このような溝になっていて登れそうです。

でも、ぬめぬめ~

登れたからって、どうってことはないので、ぬめっている、こんなところでは頑張りません。


 つめは、ガレのマークが入っていますが、それはこんな意味だったのか~と言う感じです。

3つも4つもこんなのがあります。

つめも50mとこじんまりして、ラクラクです。
 木が生えているところを選んで、詰めます。

少し左に寄って、稜線に乗ります。
 稜線上は、八幡尾根は、噂どおりシャクナゲの濃いブッシュが、見通しを遮っていましたが、ガレの淵にでると、向こうに岩壁が・・・。

フリーの人なら、登れそうな岩です。
 その先のガレはこんな。

この白い砂のおかげで、金石沢は明るく、さわやかな沢なんですね。

水も青く澄んでいます。

今日は夜勤の予定があるということだったので、12時までをタイムリミットとし、
標高1900でおしまい。

さっさと帰りたいですが、下りの地図読みが核心なのに、それができないかもしれない!

1900あたりは、尾根の肩で、シャクナゲのブッシュを避けると、ちょっと迷いやすいです。

一度補正しました。

稜線に乗ったら、あとは下るだけかと思いきや・・・

ちょっとした隠れピークで、新しい境界線マークが出てきて・・・。

チョキ方面に行くと、登りで長い。新しい境界線マークは下っている。

どちらが安全パイか?

となり、境界線があっていて、境界線がないほうが、間違っていた場合、下山路が遠ざかるので・・・

安全を取って境界線マーク。

それを目印に降りると、尾根が下る一方で・・・、これは”個人が付けた境界線マーク”のようでした・・・(汗)

なんかプラスチックだし、新しいから怪しいと思ったんだよなー

2叉にまた降りてしまい、仕方ないので、沢を下りました。 懸垂一回。

今回は、遡行図を書くのをMYテーマにしていたのですが、遡行図はまた、後程清書します。

今日はお天気がイマイチでしたが、気持ち良く明るい沢を愉しみました。 

濡れたくない季節の焚火がおススメな沢です。シーズン初めとシーズン終わりの沢ですね。


快適な尾根歩き

あっちの尾根も歩けそうかなぁ~

燃えるような赤の紅葉が目を引いた

山ブドウの木

■備忘録
6時集合
7時登山口到着
7時半 スタート
8時 入渓
10:00 二股
12時 1900 
15:30 下山完了
16:30 解散

10/28/2015

クライミングと沢

今日は沢ヤの友人とクラックへ。

世の中では、沢ヤはクラックをやることになっている。

フリークライミングの人は、大体、クラックを嫌う。クラックはプロテクションをが自分で設置するものだからだ。

アルパインの人はフリーは下手で、小川山のようなフリーの岩場では、大体馬鹿にされている(笑)

実際、フリーしかしない人は、当然だが、フリーがとてもうまい。でも、クラックをやるフリーの人は少ない。

沢をやるフリーの人はもっと少ない。フリークライミングが好きな人は、沢はキライなことが多い。濡れた岩はキライなのだ。滑るから。

滑るのを否定していたら、沢ヤは、一切どこにも行けない。でも、クライミングは、みなそこそこ上手。

ところが、フリーの岩場へ行くと沢ヤはみなへっぴり腰で、クライミングは、下手くそだ(笑)

クライミングは基礎力なのに、クライミングをしようとする沢ヤもほとんどいない。連れて行ってもらう専門の人には、クライミング力をあげるニーズは出てこない。

クライミングを頑張った去年は歩くほうが弱くなった。歩きを頑張った今年はクライミングが弱くなった。

まぁ色々と両立は難しいんだな~ということが分かる。

その難しいことを両立しようとすることが、アルパインなのかもしれないなーと思わないでもない今日この頃。

今日は、めでたい初リード(トライの日)。

■ 小川山レイバック(5.9 Ⅵ級-)

トップロープは去年登れた

今年はバンド下1mまでリード。

カムは、0.75,1、1、3

10/16/2015

ペミカンの作り方

■ ペミカン

ペミカンの作り方を指南できるほど、ペミカン作りのベテランではないのだが、とりあえず、ペミカンづくりの行程をUPしておく。

ペミカンの基本は、肉、ジャガイモ、人参、玉ねぎ。全部をラードで炒める。

すべては、この応用系だ。

豚汁の場合、ジャガイモ → ごぼう 牛肉 → 豚肉。

今回は、お肉は3分の2をミンチ、残り1を豚コマ。歯触りを愉しむため。

1)材料を揃える

  豚汁の場合

 ペミカンの部
  ・豚肉 (一人70~100g)
  ・ごぼう  1本
  ・にんじん 3本
  ・たまねぎ 1個

  ・ラード
  ・塩

 ドライフーズの部
  ・干しシイタケ 1P
  ・切り干し大根 1P
  ・薄あげ

 調味料
  ・味噌
  ・出し (あれば)
  ・七味
  
材料は全部出す





■ 炒める → 冷凍する

いろいろ研究したが、こってりとラードで固める必要は、初日のペミカンの場合、あまりないかもしれない。

ラードが多ければ多いほど、保存性が高まり、肺カロリー化するが、初日消費の場合は、うっすらと油でコーティングされている、ということが保存性を高めるのに重要な点だと思われる。

野菜が炒めてあれば、現地では温める程度で食べられると言うことで、ガスの節約になる。

≪ペミカンのメリット≫

・調理の手間を省ける
・ゴミが出ない
・ガス節約
・保存性

さて、早速つくろう!

1)材料を切る

当然だが小さければ小さいほど、短時間で炒められる。が、今回はしっかりした歯ごたえで食べた感じを味わいたいので大きめ。

2)材料はすべて出して揃える

これはどんな料理の際も重要。

3)火の通りにくい野菜はあらかじめチンする

人参とごぼうに火が通るのが大事。

肉はしっかり目に火を通す。

4)全部を合わせて、粗熱を取り、ジップロックへ入れて、冷凍庫へ!

要するに全部がしっかり炒められていれば良い。 今回は、野菜と肉は別々に炒め、あとでボールで合わせる。ラードは5cmくらいしか使っていない。

肉には、うっすら塩味が付いていた方がおいしいと思われる。

 10人前は多いな~と思ったら・・・

ジップロックの大二つで入った。

あとは平らにならして冷凍庫へ。



 とりあえず、少し入れておく。
 味噌は、自家製のが切れているので、やまごみそ。

別で持って行く。味は調整できる方が楽。


とりあえず試食 椀に味噌を加え、湯を足す

今日のランチは昨日の残り物

椀に具を入れ、味噌を継ぎ足し、そこへ湯を注ぐ。普通においしいです。



ジップロックを切らしていたので、買に出た。図書館のところで今年もカリンをゲットした♪

10/14/2015

ユマーリング練習

■ ユマール

今日は天気がよく、シュラフもすぐに乾きそうだ。週末を振り返る。

連休は、前半、雨が降り、ガッカリだった。しかし、体調も優れなかったため、行けてもあまり良くなかっただろうと思うことで、溜飲が下がった。楽しみにしていた米子沢が体調不良で行けなかったからだ。しかし、悪いコンディションで無理しての遠征は良くないと、自分を慰めている。

その償いと言うべきか、秋の小川山クライミングは、なんとも快晴に恵まれた。ただ快晴の分、冬型が入ったので寒く、シュラフは厳冬期用でちょうどよく眠れたほど。

秋の紅葉がきれいだった。


今回は、春とは違い、岩場も空いていて、ユマール練習に最適(笑)。

小川山のクライミングは、フリーの特色が強すぎ、一般登山ではそこまでの技術はいらない。それでも難度の高い場所を登ることで、少しずつでもクライミング力がアップするのは実感するところだ。

クライミングはとても楽しいし、クライミング力は上げる予定でいないといけない。焦ってもあまり良いことはなさそうだ。

■5.7のオンサイト

今回は、全く初めての課題で、5.7の眺めの課題をオンサイトした。5.7は前にもリードしているが、初見ではなく、一度トップロープで登ってからのリードなので、これはこれでめでたい達成だ。小さい達成ではあるが、皆、千里の道も一歩から、だ。

■ ユマーリング練習

ユマーリングはビッグウォールの技だが、沢でも登れない滝が出てきたときに後続がスピーディに登るのに有効だ。

■ユマール使用法

ユマールには、右と左がある。

右が青で上、左が黄色で下。

基本はプルージック登攀と同じ。

右 = 腰から荷重 ハーネスに固定
左 = 足で荷重 アブミに固定

したがって、連結するスリングの距離を自分用に調整しておく必要がある。

■ 中間支点の通過

中間支点を通過する場合、上になっている右のユマールを解除し、ランニングより上に掛け変えてから、さらにそのユマールに乗り、安定してから、支点を回収する。

この写真のように、

右ユマールと左ユマールで支点をはさむ

ということだ。

支点は、岩側を外してから、ロープ側を外すのが基本であることは言うまでもない。

中間支点のギアを落としてしまったら、もう登れないからだ。

■ ユマール購入時の注意

効き手がどちらかにも因るが、上になる右のユマールは、架け替えが多く発生するので、ロック解除機構が手のサイズにあっている必要がある。

一般には、ペツルの製品がもっとも良いとされているが、各社ユマールは販売している。機構もタイブロックとロープクランプを組み合わせたもので、単純で、機構の差による品質差はあまりないと思われるので(溝が深い、浅いなどのデザイン差はあるであろう)、むしろ手に合っており、解除にスピードがかからないのが良いと思われた。

・ユマールはペツル製がもっとも普及している
・右手に特に合っているのが大事
・登り方は、プルージック登攀(宙吊り脱出)と同じ





10/08/2015

ロープワークを教える日

■沢が大好きな入会希望者

昨日は、沢がしたいです!と入会希望で来てくれた人へロープワークを教える約束になっていた。

初心者にロープワークを教えるときはできるだけ現実味がある環境がほしい。

うーん…と考えた末、ICIで待ち合わせし、近所の公園へ。公園には、ラッキーなことに子供を連れたママさんたちは誰もおらず、遠くのベンチに一人おじいさんが座っているだけだった。

さっそく、適当な立木エリアを見つけ、そこをリードしてもらう・・・

「ここは平坦だけれども、すごく急で立木でやっと支点が取れる、と思ってね」
「じゃ、この先、いくつ支点がある?」

 「5つ」

「じゃ、ギアはいくついる?」

 「あ!そうか!」(ごそごそ)

「私はここでビレイしているとするね、じゃ1ピン目取って。さ、リードしていいよ」
二重でタイオフされている例
これは中間支点ではない。
中間支点には環付ビナは使わない

この方法にしたのは、私自身が講習会で先生について教わった時、どうすればいいのかを分かるようになったのは、簡単ではあってもリードをしてみること、だったからだ。

彼女は、アルパイン指向の人だったので、最初は普通にスリングが付いている、ぬんちゃくじゃなくて、アルパインぬんちゃくのセットを購入しようとしていたくらいだ。だからスリングは一杯持っているのだが、ラッキングが悪いので、すぐに取り出せない・・・。あたふた、あたふた。

最初に立木に1ピン目を取と、タイオフに安全環付カラビナを掛けている。普通は中間支点には安環付は使わないのだが、あとで話をすることにして、5本支点を作り、最後のアンカー作りまでやってもらう。
これをしようと思ったのは、

 ・登り出す前ににギアを確認する、ということと、
 ・歩ける所でこんなに大変なのに、怖いところを登っていたら、もっと大変だろうということ、

を分かってもらいたかったからだ。

■ 経験とは何か?

アンカーにきた。

「あ!安全環付が足りない!」

「そうね。ということは?」

「さっき、あそこで使わないでおけば良かった!」

「うん、そういうこと。よく”経験”って言うけれど、”経験”の中身はつまりこういうことなの。」

まずは、恥ずかしい失敗は、”しても問題ないところ”で、いっぱいしておくのが重要だ。

その後、ロープを付けてリードし、セカンドの確保支点を作ってもらった。まだセカンドの確保支点やコールは分かっていないようだった。

前回は、リード・フォローと懸垂下降まで教えたから、セカンドの確保も教えてはいるハズだが、記憶にないらしいのは、やっぱり、前回はアップアップだったのだろう・・・。

私もセカンドの支点作成は、山に登っていてもやらないせいで忘れがちだった。確実に自信がつくのに1年くらいはかかった。だから、2回目で何も知らないのと同じ状態なのは、不思議なことではない。

■ どこまで言うか

私が悩むのは、どこまで細かいことを言うか。

この時は支点につけるタイオフで、ロープが屈曲しないよう、スリングの長さまでを計算して、スリングを選んで欲しかったが、そこは、タイオフするってことを思い出すだけで一杯な人には余分な情報かもしれないと思い、黙っておいた。

彼女は質問がとても多い。素晴らしいことだ。 でも、質問に全部答えていると、実践ができないで、全部話すだけで終わってしまいそうだ。それに一度に一杯おしえても覚えられないだろう。

スタカットのように、覚えることが多いときは、自分で体系立てて覚える気にならないと、本一冊全部口頭で教えられても、すべて流れていくだけで、覚えられない。

■ 宙吊り脱出

その後、本番の宙吊りの脱出。 これは、みなが楽しむところ。二つのプルージックを作って、腰と足に交互に体重を掛けて、ロープを攀じ登る。

これには公園の東屋を使った。 高さは2mくらいだが、怖くないのでこれで良い。

最初は2本束ねたロープを、スリングのプルージックで登ってもらう。

2度目は1本の回収可能なフィックスロープにし、ロープクランプ、簡易アセンダーを足の側につけて、登ってもらう。(本当は腰のほうが良いのだが、腰にすると降りるのに苦労するから)

■ ビレイヤーの自己脱出

これはリアルにどうしよう!!と焦ってもらうシーンだ。

これには2シチュエーション使った。東屋の柱で、ビレイヤーのセルフを取ってもらい、アンカーを作って、クライマー役の私が出発。 1ピン目を取り、墜落役。ロープにテンションがかかる。

そのテンションがかかった状態では、ビレイヤーは必死にビレイしている。ビレイしている制動手は手を離すことができない。さて、どうする?

頑張って、制動手を握ったまま、フリクションノットをテンションしているロープに作ろうとする彼女。

エライ!ちゃんとフリクションノットでテンション移動が必要だと分かっている。

でもとってもやりにくい。そこで、確保器を仮固定して、両手を手放しできるようにすることを教える。

私も講習会でやったが、こういうのって、ちょっとした具合でうまくいかないものだ。最初はミュールノットでやってみたが、ロープが細く出やすいので、結局、ぐるぐる巻き作戦に。

山岳総合センターの先生の時は、仮固定は、「なんでもいい」と言われ、あまりに初心者過ぎて「?」となった結びだった。 そもそも、エイトノットも初めて聞きました、って状態だったからなぁ~。

本結びもオーバーハンドノットも初めて聞く人に、なんでもいいと言われても、何でもいいって意味が良く分からなかったワタシだった・・・

つまり、”なんでもいい”は、仮固定なので、しばらくの時間止れば、名前があるちゃんとした結びでなくてもいいって意味です。

さて、フリクションノットを作って、テンション移動するときには、恐る恐る。テンション移動では、ぶら下がっている人は、かならず少し落ちる。

上手くテンション移動できたが、テンションがかかるアンカーが、ビレイヤーの彼女のセルフが取れているアンカーと同じ点で、スリングの輪が両方に引っ張られていたので、ビレイヤーがセルフを外したら、また少し落ちる。

ちょっと具合が悪いですね~ということで、次はジャングルジムへ移動し、アンカーとビレイヤーのセルフは別に採ってもらって、同じことをする。

2度もやったのは、この技術が必要になる可能性が一番高いからだ。

彼女は自分の娘さんと登りたいと言う希望があるので、娘さんや、連れて行ってくれる誰かと行くことになった場合、大抵は初心者はセカンド。

つまり、自分が墜落するより、リードの人が墜落して、それをどうにかしないといけないという立場に立つ可能性のほうが自分がリードする可能性より大きい。

だからセカンドの確保を覚えるより先に、ビレイヤーの自己脱出が確実になってもらうほうが、彼女には役立つ可能性は大きいはずだ。

■ 3分の1

次は3分の一システム。 最初にフィックスを彼女に作ってもらう。上手にクローブヒッチの固定をしていて、驚いた。普通の人は固定する方法を知らない。

フィックスを作ってから、3分の一を教える。フリクションノットとロープクランプバージョンで、やってもらった。

これはこんなに簡単なの~と驚いていた。もっと複雑なシステムをご所望だった(^^;)が、わたしが実用性がないと思って却下。3分の1が分かっていれば、同じ仕組みを増やすだけなので、自分でできるようにすぐなるからだ。

ケーブルシステムとか、レスキューで人気があるけれど、実際山で使うんだろうか?3分の1は、やって覚えておけば、タープやツエルトを張る時に役立つんだな(笑)。

山小屋でバイトしていたときは、洗濯紐を貼るのに役立ちました(笑)。

■ 懸垂

最後は、懸垂のおさらい。確保器のセットは良いようだった。

カラビナでの懸垂を教えて、肩がらみと腕での懸垂も教える。ギアがない時用。でも、予備知識にとどめた。というのは、上等の化繊の山ウエアを着ていたから。

ロープバーン・・・私はなんと、センターの講習でやったことがあるのだが、ホントに摩擦ってちょっとしたことですごく焼けるのだ。腕にみみずばれのようなロープバーンを作ったことがあった。

スタンディングアックスビレイの時もたしか安物ウエアを着て行った・・・

ロープ径が違う場合の連結法を教える。確保器を使ってもねじれが発生して嫌だというので、ねじれが発生しないセットを教えた。これは師匠が教えてくれたもの。

私はあまり使わないセット。カラビナが一個余分にいるから。

■ お買い物&ジム

その後、ICIへ立ち寄り、ギアを買う。PAS、エイトカン、プルージックコード、ロープクランプが必要なものだったが、PASとロープクランプは、売っていなかった。

ジムは2時からなので、ちょうど良いというので、ジムへ行き、リード壁へ取り組む。

「ここの5.9が登れるようになったら、小瀬の使用者許諾証が取れるよ」

私も最初に目指したのは、これ。目標を与えるというのは大事だ。アルパインの人だったら、でも、目標は大体同じになる。

クライミング練習したければ、人工壁は雨の日や、山に行けない日に使いたいので、使用許可証は、必ず欲しい。使用許可証を取るには、5.9がリードでき、上でトップロープの結び替えができないといけない。

彼女は娘さんがいるので二人いれば、どちらかが5.9を登れるようになって、許可証を取ればよい。

ジムへ行ったのはどうすれば、そうできるようになるか、を感じてもらうため。ジムでのリードは娘さんと経験があるようだったけれど、ビレイはあと少し経験が増えると安心だな、という感じだった。

ちょうどジムのオーナーさんがいて、お客さんも少なくて空いていたので、良かった。

■ まとめ

これで本日の研修は終了。

公園
・リードフォロー おさらい
・セカンドの確保 セカンドの確保のロック解除
・宙吊り脱出
・ビレイヤーの自己脱出
・3分の1
・懸垂おさらい

ジム
 ・彼女は5.8を擬似リード その他はトップロープ (4本)
 ・私は、5.8をリード、5.10bをトップロープ (6本)

ギア
 ・PAS
 ・エイト環
 ・簡易アセンダー
 ・プルージックコード

ロープワークは、10時からやって、14時。 このくらいかかるだろうなぁと思う。

山岳会で新人さんに向けてやるべきは、公園でのこうした練習会だと思う・・・放課後の練習みたいなものだ。

このたった一回の支出?を惜しんでいるために、いつまでたってもロープワークを覚えない人が多い。

いきなり岩へ連れて行く。すると、岩登りというものは、トップロープのことだと思い込んでしまうのだ。

昨日はよく晴れて、素晴らしい陽気だったので、十二ヶ岳の岩場や、三つ峠で同じことをやれば良かったかなぁ~と思う。

が、やっぱり公園で良かったと思う。

いきなり岩へ行きたいのは先輩側のエゴイズムだと思う。だって、岩と言うシチュエーションになった途端に、それがどんなに易しくても、血圧が上がるのが普通の山しか知らない初心者だからだ。

落ち着いてロープワークに専念できる環境で教えていないことが、テンパっている状況で、すぐ出てこないからって、怒ったって仕方ないと思う。

先輩にはツマラナクても、初めて教わる人には、何もかもが新鮮なはずだ。その一回の手間をおしんだがために、何年たっても、万年フォローしかしていないのに、それで自分はイケてる、カッコいい奴だな~とか、思ってしまう・・・。ギアをラックにぶらぶらぶら下げているだけで、そのギアつかっているの、見たことないのに。

そんな人を作らないためには、最初に、ちゃんと教えるべきことを教えてから、連れて行くべきだというのが私の意見だ。それは失敗例を根拠にした意見だ。

山岳総合センターでは、ビレイができないと岩には連れて行けない、と誰もが分かっていた。ビレイも出来ないのに、高度な山に連れて行ってはいけない

岩に行くなら、最低限

 ・ビレイ
 ・ビレイヤーの自己脱出

はできないと困ると教え、相手が分かった、行きたいから教えてください、という気持ちになってから、というのが正しい順序であるべきだ。

ぬんちゃくを買うなど、その後でいいことだ。リードもしないのにぬんちゃくがあっても使わない。

こちらは一回目の記録。




9/30/2015

おかしな私の日常

■ 憑きもの

正直な所、私は戸惑っているのである・・・

なぜ、山にこんなに取り憑かれているのか? 

そう、”憑”という漢字が当てはまる山への傾倒ぶりで、今朝も青い空がベッドから見えた途端に後悔している・・・なぜ今日山を歩いていないのかしら・・・と。

いつの間にか、山で過ごすことが私自身の幸福の目安になっている・・・時には、13時間の山の後に、早起きして、3時間近くも運転して山に行くのである・・・

ちょっとおかしいでしょう・・・もう一人の自分が言う。

今週くらい休みなさい。秋の衣替えは?

水やりを忘れて放置したベランダの植物の片づけは?

冷蔵庫の掃除は?献立の計画は?そうそう、血液採取して検査に送るのは?

ヨガの友達に電話をしたら?

この散らかった部屋(それもほとんどが山道具・・・デスクの上には何枚もの地図が散乱・・・)なんとかしなさいよ。

そう、心が言う。それに答える。

ああ、すっきり~これで気持ち良く山に行けるわね~

なんて考えているのだ。

用事を片づけ、気楽になると、結局は、また菊池敏之さんの本をフムフムと読んで、女性だけのアンナプルナの挑戦記にため息をつき、まだ見ぬ山の姿を思って、地図に尾根と水線を入れる。

そいでもって、ふと思いついて、また、ベアリング図なんかを書いてしまう・・・。

ひと段落するまでは、食事もしないで。

「肩がこる前に休みましょう」なんて、どの口が言っているのかしら?という訳だ。(私はヨガの先生をしている)

ベアリングがひと段落すると、全体像が見たくなり、地図をつなげる・・・

見逃した核心はどこか?濃すぎて歩けない藪はないか?一体エスケープはどこに取れるのか?
この屈曲した沢は、さぞかし、滝が多いだろう・・・、下りるのがないとすれば、どこが安全圏に最も近いのか?核心は水なのか?

そうこうしているうちに、やっぱり、やっぱり2万5千の地図は必携だと思える。ラージスケールで把握しておく必要を感じるのだ。

それで地図を買う”ついでに”、スーパーでお買い物してくるのだ。うーん、重症。

■ 山とは?

私はただ知りたいのだ。

山って何なの?

もちろん、私が言っている山は、ただ「北岳は日本第二の高峰です」とか、「小川山は花崗岩の岩です」とか、そういうことではない。

「あの人は山のなんたるかを分かっていない」

と言うときの、”山”だ。

八甲田山の”死の彷徨”は、山が分かっていないことで起きた大量遭難だった。あまり知られていないが、この山行には、別部隊がいた。その部隊は同じような山行をして、一人の落伍者も出さず、帰ってきている。

両者の違いは、抽象的な言い方だが、

 山を分かっていたかどうか?

だ。中身は同じ山なのに、これほどの開きが出るのが、山なのだ。

もっともよく山を分かっている人は誰なのだろうか・・・?マタギなのか?猟師なのか?

山を生活拠点にするだけでは、山のことを何にも知りえない、ということは、山小屋でしばらくだが、バイトしてみて分かった。

私が一番びっくりしたのは、山に働いて、誰も外を見ないことだった。毎朝、3時半に外に出て、外の空気を吸っているのは私だけだった。雨の日も、風の日も、外に出なくては、登山者に的確なアドバイスはできない、と思ったのに、ネットで配信される天気予報を張り出してお終い。

日帰りの山を重ねても、山の一面しか知りえないことも分かった。温かいお天道様の下に、お弁当を広げて、「山っていいね♪」っていうのは、軽薄短小に感じる。

そんなシチュエーションで良くないハズがないでしょう。同じ場所で雨に降られ、風に叩かれ、闇夜が来たら、「山っていいね」どころか、山なんてコリゴリと思うはずだ。

昨日はスーパームーンだった。子供の頃、月に慰められて生きていた。我が家はとても貧しく、それを解消する手段も子供だから何もなく、ただひたすら耐える日々。それでも、月は美しい。

夏の暑い日に、夜中にベランダから外へ出る。そして、飽くまで、月を眺める。地球の裏側でも同じ月だと言うことを考える。清少納言の時代も同じ月だと言うことを考える。

自然の普遍性を思うと、人間的問題は大したことではないように思えることが多い。月明かりは優しく、不変だ。

樹木に心を寄せることで、人は生きることができる。毎日の登校で、挨拶をする木があった。イジメや理不尽が積み重なると、その木の下へ行く。彼は何が起こったか?見て知っているから、平気だと思う。

九州の台風はすごい。閉じて鍵を掛けたアルミサッシから雨が室内ににじみ出るような雨だ。その中、弟とベランダで滝行のように、雨に打たれる。何もかもずぶぬれで、ひどい格好だが、何かが洗い流されるように清々しい。遠くで稲妻の蒼いラインが見える。美しい。恐ろしいような気もするが、それでも目が離せない。ギュッと彼の手を握る。その手は握り返される。

でも、少年自然の家なんかのキャンプサイトは大キライだった。ニセモノ、と子供の私は切り捨てていたのだ。

今では人間が丸くなり、人の弱さを許せるようになり、ニセモノにも寛容になった。

だからと言って、ニセモノが分からないわけではない。



9/28/2015

焚火とお転婆

■ 秋のお支度

今日は、甲府はやっと連続2日の晴れで、秋の支度に忙しくしている。

秋風がそろそろ冷たい。でも、私は肌が弱い。衣替えも、洗い立てのフレッシュなもの以外は、着れない。

今年の9月はとても雨が多かったから、こんなに、のんびり晴れた日は貴重で、今はホントは岩にでも行きたい気分。

とはいえ、衣替えという後方支援が追い付いていないと、気持ち良く山にも行けない。

■ 小さな炭火

目からウロコの発想?!
フリークライマーのモウアラさんご夫婦が、小川山で炭火焼きをしてくれた。 

じゃん!

五徳をL字金具で作り、土台は、なんと蒸し器。あの羽が重なって小さくなるヤツだ。

へぇ~と思った。そういえば、レストランでも、小さな火鉢に墨を入れてくれることがある。

私も冬に自宅で、火鉢に挑戦したくて、実は家に豆炭入れがある。マンションだと庭がなく、色々ネックで使ったことがないけど。

”焚火”と言えば、地面から直接する焚火を思っていたので、卓上炭火、というアイディアに驚いた。

小川山は焚火OKだけれども、最近はキャンプ場では、焚火の跡を嫌うのか、直火NGのところもある・・・。

モウアラさんたちは、そう、実はテーブルや椅子を用意してくれていたのにも、新鮮さを覚えた。山ヤには考えられない高級装備だからだ(笑)。

でも、よく考えたら、アメリカでも、オーストラリアでも、友人たちは、自宅の庭で、炭火を起こしてバーベキューでもてなしてくれたし、日本の農家でも、半割りにしたドラム缶で、焚火して、焼きそばパーティをしてもらった。

火には容器があるのが、一般的には普通のことかもしれない。 

■ ノーと言わない

小川山と言えば、登山を始めた頃、金峰山に登りに行き、たまたま、クライマーと隣り合わせになって、仲良く、赤ワインを空けたことがある。

その人たちは結構ベテランだった。翌日その人たちが小川山物語に取り付いて、岩に張り付いているのが登山道から見え、びっくり仰天&戦慄・・・(><) (もちろん、当時はそれが小川山物語という課題だとは知らない)

今では、そうやって岩に張り付くのに、ビレイヤーがいないと文句を言っているのだから、人生とは面白いものだ。

フリーから山に入っても、アルパインから山に入っても、山は山だし、結局は同じところに収束して行く。
くたびれたビリー缶 蓋との比較に注目!

出会うべき人に出会っていくのだろう。

フリーにはフリーの楽しみが、アルパインにはアルパインの楽しみが、沢には沢の楽しみがある。

金峰山を初めて登る、一般登山者でしかなかった、あの当時、一目で恐怖に震えたフリークライミング・・・。

8~9割の登山者がそうするように、挑戦もせずにノーと言っていたら・・・

・・・今ある私はないだろうなぁ。

モウアラさんたちに沢でやる、大きな火を見せてあげたくなった。実は、煮炊きも焚火でしてしまうんですよ。ただ鍋は猛烈にくたびれますが。

テーブルもなく、椅子もなく、ただあるのは、沢のせせらぎと、真っ黒で大きくのしかかるような山の稜線、漆黒の森、谷間に見える、たくさんの星・・・。

小川山で焚火になれたら、ぜひ沢を案内したいと思った。焚火を愉しむために沢に来て欲しいなぁ・・・と思ってしまった。

岩も沢を詰めた奥にあることが多いですしね。”なんとか奥壁”とかよく言う。

■ 荒川源流の大きな焚火

そういえば、先日、荒川源流を旅したとき、ものすごく大きな焚火を作った。それも、結構カルチャーショックだった。

薪は、私の背丈を越え、直径にして、20cmもあるような、太い丸太も燃やしてしまう。

普段、作る焚火が”犬小屋サイズ”とすると、この時の焚火は、”畳み一枚分”くらいあった。



小川山でやったら、周囲のキャンパーたちに大注目を浴びるだろう、という大きさだ。

ただ問題は、湿った薪に火をつけるのはとても難しいこと。

なんとガスバーナー登場。我が家では、畑をしていたときに害虫退治に一役買った道具だ。本当は、クレームブリュレのキャラメリゼ部分に使う予定で買ったのだけど・・・(笑)。

ガスバーナーを見て、夫の元君なら、絶対に文句を言うだろうな、と思った。

・・・というのは、夫はボーイスカウト歴が長く、焚火とみると、それこそ、火がついてしまうみたいで、新聞紙1枚どころか、半分で確実に着火することを自分に課しているから。

元君ならきっと、何が何でも、道具なしでつけようとしてくれる。実は、熱い男なんである。

■ かまど

かまどで鍋!
前に、御室小屋に行った時、彼は、頼まれもしないのに、かまどもこしらえてくれ、すっかり、鍋パーティになった。

後で一緒に行ったガイドの三上さんが愚痴るので、聞いたら、ホントは焚火は温まるだけのつもりで、実は、調理はガスでやる予定だったのだそうだ。

ガイドさん曰く、「鍋は誰が洗うの・・・?」

そう、焚火で調理すると、鍋がすっかり年季入りになる。

私も滝川にビリー缶を持って行ったら、とってもいい感じにくたびれた。実は気に入っている。なんでも、新しいものは、あまり好きでないからだ。古いものが好き。

御室小屋は、廃屋で、焚火にちょうど良い廃材が、薪を集める労せず手に入る。3月だから、テントにしたが、沢では普通は、タープだ。重くても平気な人は、ブルーシートで事足りる。

乙女の焚火
■ 焚火ごろ寝

荒川源流では、タープで寝たのだが、思えば、焚火の傍で、ごろ寝してみればよかった。シュラフカバーが穴だらけになるかもしれないけれど・・・。焚火で、すでに私のテントには穴が開いている。

自分自身の焚火は、今夏は伝丈沢で5月に、女性の友人と二人でやって、とても楽しかった。

こっちの薪は、まだ梅雨前だし、山梨の乾いた冬から、春に空けてすぐなので、薪がカラカラに乾いており、燃えすぎるくらいよく燃え、延焼が不安なほどで、石で防火帯を作ったくらいだった。

女の子二人の冒険隊・・・とっても楽しかった。

お転婆?

私は小さいころ、そんな言葉とは無縁に育った。

家庭では、小さな母親として家事に忙しく、学校では優等生として、委員長やキャプテンを二つも三つもこなす超多忙な子供時代だった。多忙の間をぬって、読書に現実逃避。



だから、そびえたつ滝を前にして、どう登ろうかとルートファインディングしている時、「滝登りするなんて、やっぱりお転婆だよ」と言わて、ちょっと褒め言葉に聞こえたりした。

そっか、これってお転婆なんだ。

滝場は沢では必至だから、必死(笑)。 

私がトップを行くのは・・・、登れる!と・・・つまり、登攀力がある!と思っているからでは、ないかもしれない・・・

・・・でも、とはいえ、私が行かなくては、誰が行くの?とは思っているかもしれない。

やっぱりお転婆?

自然のままのゴキゲンな幕場 ここは小屋跡かもしれない





9/24/2015

奥秩父 滝川 金山沢・曲沢

■ シルバーウィーク

シルバーウィークはよく遊びました♪ ちょっと遊びすぎでないかい?とは思いましたが、登山やクライミングに関しては、時機が揃うことは、なかなか難しいので、揃ったら、多少無理しても、出かけてしまうに限ります。

■ ありふれた名

金山沢っていう沢は、日本に一体何本あるんだろう??? 

ちなみにカシミールで検索すると、ヒット数は、74件だ(笑)。さらに、下山に使った曲沢も、ありふれた名で、53件のヒット。

・・・というわけで、金山沢も、曲沢も、沢の名前としてはありふれている。

今回の滝川支流の金山沢と曲沢は、和名倉山の西面の沢だ。

後日談: 金山沢という名前は鉱山と関係があるという指摘を受けて、検索すると面白い記述に当たりました。

とにかく沢登り
山梨の金山について調べる

・・・ゴンザの滝の手前の幕営地は小屋跡だったのだろうか? 小屋跡とあるのは鉱夫むけの小屋だったのだろうか・・・

■ 予想

この沢は、日帰りのロングルートだった。行程は20km。まだ、ちゃんとした検証が済んでいないが・・・

 1)読図して、10時間程度と見積もった。

 2)ガイドブックに照らし合わせると、ガイドブックでも同じようだった

 3)沢の性格としては癒し系で、ハラハラするところはないはずだったが、しょっぱなから、ロープが出た。

 4)13時間かかった・・・

・・・というわけで、予想と現実のギャップが課題となった山行だった。

実は、前の沢で水量が多く、予想以上のコースタイムがかかったので、今回も同じ山域で、予想を上回るコースタイムがかかるのではないか?と警戒はしていた。

翌日の山行は、帰り次第としてもらったくらいだ。もし、下山が遅れて、23時になれば、翌日の3時起きなどは絶対にありえない。

コースタイム感覚で言うと、普通の山や本チャンでも、今では、予想したコースタイムから大きく離れることはほとんどなくなった。自信を深める理由だ。

ところが、沢山行では、コースタイムの読みは、ゼロからの出発で、今までの経験は生きず、非常に難しい。今から積み上げる要素だ。

■ 行程管理 読図ミス

核心は、下山では・・・と予想していたが、核心は、行程管理だった。

また、私はツメの地図読みで、コルに尽き上げる左俣を一つ見落とし、となりの尾根に突き上げてしまい、おそらく、1時間ほどは、行程がアップしてしまった。

つめの地図読みで、まだ読み込みが足りていなかったのだ・・・(--;)。すみません。

ルート維持は、細心の用心が必要だということだ。

しかし、現地では、その二股、1520の標高辺りにも見当たらなかったんだけどなぁ・・・。行程が押し、少し急いで歩いた結果、見落としにつながった可能性もある。そう、急いでいたのだ。

1:3とか、書いてある場合、水量の少ないほうの沢に入る予定の時は用心が必要だ。たいていが二股に来れば、判断するのだが、今回はその地形的特徴が見当たらないままに、あるいは見落として、進んでしまい、気が付いたらだいぶ先に進んでいた。

念のため、休憩は、時間ではなく、地形のポイントでするのが良いかもしれない。

■ 詳細

 朝5時に集合。 出会いの丘。集合時間は行程が分かっていると、納得感を深めることが多い(笑)。

だから、集合時間に不満があるときは、たぶん、行程が把握されていないのだ。

出会いの丘はトイレはあったが、自販機はなかった。

ここから、黒岩林道を少し歩き、途中で、滝川と金山沢の出合いに降りる。

魚釣り?のお兄さんに出会う。
 この降りる尾根を見出すのが、最初の難関。

ここはベテランが下降ポイントを指摘。

初見だと、下降ポイントの発見が、核心になりそう。

尾根自体は降りやすかった。

地形図では尾根の末端は崖になっている。
これは滝川。出合いでは、この左に入る。
 最初はゴルジュで始まるのだが、せっかくトップを任せてくれたのに、しょっぱなから、判断の難しい箇所に当たってしまう・・・

こんなの・・・どうします???

どっちにも巻けそうになく、直登が一番安全そう。さらに奥にも滝がある場合、大高巻きかもしれない。
本日の核心部。

ここはトップで途中まで行くものの、長いトラロープが出ており、クライミングは登れるが、後続はどうするよ?という箇所だ。

振り子トラバースのようになる1か所の固定の、フィックスロープでは、一人は通れても、残りのメンバーは、そのロープが前に出てしまっては通れない。

ロープを連結して後続が手繰れるようにするか、

2点のフィックスにしてトラバースを作るかしないと、安全に通過できない。

結局ベテランに先行してもらったら、なんと支点はハーケンだった・・・

やっぱり私の手におえない箇所だった。

しかし、ちゃんとハンマーを持っていたが、セカンドで行ったので、回収担当はできなかった。

最後尾で行くべきだったと反省中だ。

ここはしょっぱいクライミングだったとベテランもびっくりしていた。

そんな難しい箇所が出る沢の要には書いていないのだ。

下部が6mの直瀑になっている10m滝。
 あとはずっと癒し系になり、こんな感じで、楽しい滑が続く。




 葉っぱがみずみずしく美しかった。

トップで歩くと、なぜか後続で歩くより、楽で、後続だとなぜか頑張ることになる。

たぶん、スピードは変わらないと思う。

どうしてなのか不思議。

だから、今回はいっぱい写真が取れた。

後続も最初の人が登るのを待つから、待っている時間はあるけど、自分の登る版が来る前に、写真を撮る気にはなれないのかもしれない。

山は一番前を歩くのが一番楽しいような気がする。


 これはツメの左股に入ったあたりかな?
 下山での曲沢二股。

下りの滝川右岸山道は、一か所分岐が分かりづらく、大きな丸太が転がって道をふさいでいる方は、丸太の当たりで、踏み跡が消える。

その手前に尾根を下る分岐があり、下ると吊り橋がある。

吊り橋を渡れば、すぐかと思いきや、少々の登りで、車道までが長く感じさせられる。

車道から、徒歩30分だが、車を一台デポしてくれていたので、その分が5分で済み、ホッとする。

この下山の川叉までの山道は、迷いやすい。

あとでGPS軌跡を見たが、それでも分岐がはっきりはしなかった。

ヤマレコで、GPSのログを掲載したが、一体分岐はどこなのか?良く分からない。

ただ、金山沢左股のツメで、1520で左股に入るポイントを見落としたのは、明瞭に分かる。

予習でも見落としたポイントだった。